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40代の転職は無謀?リストラされ未経験で事務職に転向した女性の話

会社から突然突きつけられる希望退職に、残るべきか去るべきか迷いますよね?

私自身40歳の時に職場からリストラ宣告を受け、目の前が真っ暗になったのを今でも覚えていますし、当時はなに食わぬ顔で居残り続けている経営陣に随分と恨みを抱いたものです。

ただ今でこそ思えるのは、長年勤めあげた職場を去るのは断腸の思いですが、少しでも良い条件で退職できるうちに逃げ出すのも手ではあります。

子供たちとの時間を過ごしたくて希望退職に応募した

40歳の時に苦労して転職した経験がある47歳女性です。

大学を卒業後、東京の百貨店に就職し、2年後、私の地元に新規出店をすることになり開店の準備も含めて赴任し、自宅から通勤することになりました。

30歳で結婚し、それまでの実家からは離れ勤務先近くに新居を借り32歳で出産。

残念ながら、35歳で離婚し子どもを引き取りワンオペ育児が始まりました。

現在は転職に成功し、畑違いではありますが通信会社で事務職をしています。

保育園に子どもを預けながら1人で育児をしていましたが、百貨店業界の特性上、カレンダーどおりに休むことは出来ず休日保育に助けられていましたが、子どもが小学校に入学し土日や平日の夜の預け先に困り高額な民間の学童保育を利用することになりました。

まだ幼い子どもと一緒に過ごす時間は僅かしかなく、子どもの情緒にも異変が出てきていた時、タイミングよく早期希望退職の年齢制限を大幅に下げた募集が行われることになりました。

この希望退職は退職金の上乗せ、再就職の斡旋、ストック有給の消化に加え、会社都合退職となる有利な条件があったため少し不安はありましたが、転職するなら今しかないと思いました。

子どもと一緒に過ごす時間の確保が動機となり、迷うことなく応募。

有給休暇を2か月分消化し、失業保険の申請をして300日近い失業給付金を受給。

毎日、子どもと一緒に食事をとり、宿題を見てあげる毎日はとても充実していました。

その間もずっとハローワークへ通い求人検索を行い、時には面接に行ったりもしましたが、40代での再就職はかなり厳しい現実。

私の場合、業種転換を望んで事務職を希望していたこともあり、より一層厳しさを増した感がありました。

ハローワークで職業訓練講座に通い、簿記や労務の資格を取得。

結果的には、ハローワークで見つけた、産休の代替要員の営業事務職へ応募し採用となりましたが、産休の代替要員では期間に限りがあり、就職と同時に次の就職活動に入りました。

それも、次は紹介予定派遣を利用することにし、派遣の募集サイトを数種類見比べました。

私がよく見ていたのは、リクナビ派遣のサイトでしたが、派遣から検討を始めるしか道はない現実は、40代の私にとって厳しいものでしたね。

事務職の実務経験はなかったが職業訓練でカバーした

私が一番心配していたのは、小売販売業から事務職への業種転換を希望していたので、事務職経験を重視されるとやはり弱いこと。

転職のきっかけは、子どもとの時間を確保することなので、最低限、カレンダーどおりの勤務形態を希望。

でも、その条件で就職活動を進めると、事務職の求人の報酬は驚くほど少なく、しばらくは退職金や貯金があったとしても、いつまでもある訳ではないし、多少の昇給があったとしても、このお給料で何年暮らしていけるのかと不安になりましたね。

それでも、当時は子どもと過ごす時間が大切でしたし、他に選択の余地はなく、とにかく望む仕事に就くことを考えていました。

実務経験の少なさは、職業訓練や検定試験でカバーするようにしましたが、パソコンの操作はやはり派遣で実務経験を積むのが一番上達しました。

知識はあっても実際に使わなければ必要性は分かりにくいものですよね?

実際にいろいろな場面で試行錯誤しながら仕事をしていくと、めきめき上達。

これまで経験してきた分野は違いますが、社会人としての経験も加わり、すぐに重宝される人材として認められるようになりました。

この、分野というか業種の違う業界での知識は私自身が考えていたよりも貴重な財産。

ずっと同じ会社で転職もせず勤めている人にとって、他社のことや他業界のことを知るのは難しいですが、転職し私のように期間限定や派遣で仕事をしている人は色々なことを知ることができます。

ですから、情報漏えいにならない程度の知りうる情報提供は行いました。

そして、自分の業務にも有効的に活用。

そうすることで、自分自身も納得のいく仕事ができるようになり自信もついてきました。

経済的な不安はありましたが、派遣から社員の立場に変わり心配も和らいでいきます。

向上心が高すぎると疎まれる現実に違和感を感じ苦労した

冒頭に書いたとおり、私は4年制大学を卒業し一部上場企業に20年近く勤務していたため、高卒や短大卒と同じ扱いをされることに慣れていませんでした。

もちろん、スキルも違うと自負していた部分もあったので、転職の際に中卒も高卒も大卒も同じく扱われることに強い違和感を抱いていました。

加えて、事務職の世界では大卒はどちらかというと不利に働いていているんじゃないかな?

事務職で求められるの仕事のスキルは、ほどほどで良いようで、若くてあまり向上心の無い方のほうが良いように感じました。

若くて可愛くて性格も大人しい感じで、職場の癒しになるようなタイプが好まれているのだなぁと肌で実感。

どんなに努力しても実年齢は偽れませんし、スキルを向上する努力をしても向上心の高すぎる女性は疎まれる傾向にあります。

なるべく早く正社員になり、安定した地位や立場を手に入れたいと焦る気持ちと現実とのギャップに悩み、気持ちの整理をつけてポジティブに考えられるようになるまでには、かなりの時間が掛かりました。

しかも気持ちが滅入る経験もしましたが、現実に向き合い自分自身の出来ることとやりたいことや希望すること、求められる人材等、多方面から納得がいくまで良く考えて、ひとつひとつ解決。

そして、なんとか現実を受け入れて前進することが出来るようになりました。

ここで、壁に当たり、しっかりと考えることが出来たおかげで、その先に起き得る出来事など将来的な計画もしっかりと練ることが出来ました。

そういう面では、苦難の多い転職活動ですが長期的な視野を持ち危機管理しながら進めることが出来るようになった良いきっかけとなりました。

40代の転職活動で苦労したが自分を見つめなおせた

40代にして転職をするのは、かなりの覚悟がいるものですが、結果的には良い経験になったと思っています。

先に書いたように、苦労やジレンマも多く経験し、正直辛い日々もありましたが、本来の自分自身を見つめなおす良い機会になりましたし、自分の目だけで主観的に見ていた社会を、自分の現状も含めて客観的に冷静に見つめ直すことも出来ました。

自分が何者でありどのように社会に適応していく人物なのかを深く考えることが出来たような気がします。

40代は、企業の中で新人というには年を取りすぎていますが、定年までには長くて20年短くても10年はあります。

そう考えると、再就職先にとって私達は戦力となりえる人材ですよね?

この点においては、卑屈に感じることなくどんどんアピールしていって良いところじゃないでしょうか?

採用面接では、年齢面など苦労することも多いですが、実際に採用に至る直接の要因はやはり社会人経験の豊富さと、人脈など企業にとってはすぐに役立つ目には見えない価値を高く評価していただきました。

私の場合、紹介予定派遣を利用していたため、その後は契約社員に変わることが予定されていましたが、派遣期間での頑張りや貢献度が認められ正社員での登用。

ここは正直びっくりしましたし、想定外でした。

もちろん、あまり強引にならないように自己アピール。

日常のお仕事ぶりでもしっかりと取り組み、働く姿を見せ結果も出しました。

事務職ですので、数字で表せる結果ではありませんが、職場の皆様の良いアシスタントとして、また相談相手としてこれまでの経験を生かしアシストやアドバイス。

あまり出過ぎないよう、ここは慎重に心掛けました。

それから、熟年ではありますが、いつも笑顔を絶やさず皆さんに平等に接することでチームワークの要にもなれてきたと自負しています。

このような仕事ぶりが認められ、昇格試験のチャンスもいただいています。

回り道はしたかもしれませんが、その職場職場で自分に出来ることをひとつひとつ確実にこなしていくことで信頼を勝ち得ることが出来ましたし、このことは自分自身の自信にもつながっていきました。

40代でリストラされ無謀にも事務職に転向した女性

最後に要点をまとめておきます。

  • タイミングよく早期希望退職の募集が行われ迷わず応募
  • 子供と過ごす時間が欲しく土日休める事務職に転向した
  • 下手に向上心を見せると疎まれる事務職の世界に疑問
  • 契約社員での採用だったが経験をアピールし正社員で採用された

40代で未経験の事務職に転向できたと聞いて驚きましたが、入社後の頑張りで契約社員ではなく正社員として採用された彼女はやはり頑張り屋さんだったんでしょうね。

20年近い会社員をしてきた皆さんも、積極的に経験をアピールしてみてください。

自分で関係がないと思っていても、案外共通する点はあるものですよ!

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