確実に経験を積んできても、結婚を機にキャリアが途切れてしまうことがありますよね?
家事や育児をこなしながらも復職できれば良いのですが、現実問題はそう甘くはありません。
山田さんは、作業療法士としてリハビリの仕事に携わってきましたが、40代で結婚を機にキャリアを捨てる選択を余儀なくされました。
再び働きたいと願うも、主婦業の傍らできる仕事でもなかったようで…
社会人経験があれば楽な事務職に就けると期待したが失敗
今は44歳の主婦で旦那様と2人暮らししている山田と申します。
派遣社員をしてみて色々思うことがあるので、皆さんに聞いてもらおうと思いました。
現在は、事務職の派遣でド短期で職場を転々、車の販売所の事務をしてお茶出しも経験。
私は結婚をしたのが遅く、それまでは正社員として医療系のリハビリに従事。
そこでは色々学べることが多くキャリアを積んでいくには十分な職場でしたが、結婚を機に転職して働き方改革をしようと考えました。
直接の動機としては主婦になったので、キャリアを積んでいく仕事でなくても効率のいい働き方をしたいと考えるようになり、ひとつの手段として確実に定時で帰宅できる事務職でもいいような気がしたからです。
現場で多少事務作業を経験してきたので、しかも20年近く社会人としての経験があるから、未経験でも総務とか経理の事務員で採用されると考えていましたが考えが甘過ぎました。
ハローワークを始め、転職サービスや折り込みチラシに応募しても、書類選考すら通過できません。
そこで、私は方向転換。
複数の派遣会社に登録して、ド短期派遣で経験を積んでいく作戦に切り替えました。
そこで経験した未知の仕事は、仕事感が広がりました。
今まで自分は現場で走り回ったりする、介護系、医療系がメインでしたが、座り仕事の事務職や、受付をするようになり、接客も医療の現場の接し方とは全く別のものと気付きました。
心を込めて仕事するのは同じですが、基本的に病気の方が多かったので神経を使いましたね。
情けない話ですが、社会人としての常識も改めて書籍を買って見直してみたり、基本が大事と再確認。
パソコンを使いこなせないと事務職が務まらない現実に直面
40代になると、もう新人みたいに頭にすんなり入ることはなく、覚えるのに時間がかかり苦労。
歳をとってからの転職は、やる気で持続できる気持ちの切り替え方を学ばないと気持ちが持ちません。
精神論だけではなく、ExcelやWordも基本的なことができないと使いものにならないと言われ、猛練習しました。
40代の壁は大きく、物覚えも若いころに比べると時間がかかるようになった気がします。
現場で働いている時も多少はパソコンを使う機会がありましたが、事務職は何か作業をするのではなくパソコンを使いこなすのがメインです。
基本的なことが理解できて、使いこなせて当たり前の世界です。
「未経験だから分からないことは教えてもらおう」って甘えていましたが、最初の派遣先で「こんな計算もできないようじゃ使えない」と年下の同僚にボロカスに言われ、トイレで涙した香ばしい記憶。
でもそうも言ってはいられないので、毎日のデスクワークに慣れることが肝心ではないでしょうか?
そのデスクにじっと座っている作業は腰にも負担が大きく、自分の性格に合うかが問題でもありました。
意外にじっとしての作業が昔は苦手だったのですが、歳をとったからなのか?自分がこの仕事に合わせていけることが分かりほっとしました。
いつの間にか不安だった作業も日に日にできるようになり、頭が慣れと不慣れなことへの執着心を取り除いてくれるような気がします。
パソコンを前に画面を手元を見ないで打てるようになったのも、Wordの練習をして役に立ったのが自分の中で大きかったですね。
でも未だに打ち間違いはあるものの、何とか時間内に間に合わせられるようになって嬉しいので、きちんと作業時間を守ってできるのが自信にも繋がります。
自分は歳だからと初めからチャレンジすることを放棄して、どうせできないと思うとそれが当たり前になります。
やってみると意外に簡単と思えることも多く、実際できるようになったら何だ簡単じゃない!って思いましたね。
ド短期のお仕事はどこに派遣されるか予想できずイライラ
ド短期派遣の仕事で困ったり悩んだことは多々あります。
例えば、勤務先がメチャメチャ遠い場所だった場合、通勤時間が長く渋滞が異様に発生し、遅刻がついてくるので困りましたね。
自分自身では勤務先を選べないので…。
もちろん、社会人として絶対に遅刻をしないように、短期の仕事の際には早く出て遅く帰るように心がけました。
でも物凄く時間の無駄をしているような気がして、近場の派遣先だったら、地元ならどこで渋滞がするか読めるじゃないですか?
でも、初めて行く場所はどこが混むかは全く察知できません。
間に合うように出たつもりでも、事故渋滞が発生しているとそれで私の信用は終わります。
そしていつものように、イライラ。
誰も行く人がいないから時給が高い派遣先に行かされても、通勤時間はどうしようもなく知らずに引き受けてしまうと大変。
人間、楽しく通勤できる時間は20分前後と言うじゃないですか?
その3倍4倍時間がかかる派遣先は、いざ作業を開始してからの効率も下がるので、随分と同僚や先輩方に助けてもらった記憶が残っています。
ある程度考えて作業を効率化してきた経験が生きている
40代で転職して、主婦になりフルタイムで働けてた時の経験が今の自分の肥やしにはなっていると実感。
あの頃経験した仕事のノウハウはもちろんのこと、どうやったらもっと早く仕事が回せるか?どうしたら上手く根回しできるのか?考えて仕事をしてきたので、似た状況に陥っても緊急対応がサッと思い浮かぶことが良かったかな?
失敗したと言えば、850人分の受付の対応をした時に後々考えてぞっとしたことがあります。
その受付のごった返した状態でのパソコン画面の内容を照らし合わせる作業でのことは、今でも忘れません。
その700番目の人が高齢の方で受付を通らずに終了されていて、700番が来ていないと言っても、受付を通らないとできない作業をもう済ませていること。
これは大事だということで、少しとめてほしいと次の人は待ってほしいと頼んでもダメでした。
結局その前に時点の受付の人が気が付かずに通していて、大変でしたね。
人数が合いませんと言ってもこんな多い人だから誰も悪くないと言われましたが、でも気が付いていたのは自分だけだったので、早め早めで手を打ったので傷は浅くて済んだような気がします。
高齢の方への動きを把握できていなかったので、受付の数が多いのは失敗だと感じました。
人が多いと、思ったように動いてはくれないので、きちんと把握できる受付の仕組みを提案して、次からは取りこぼしがないようにしていかないといけないと感じました。
これからも仕事での失敗は付きまといますが、だからこそ日々の努力で補っていかないといけないのだと感じました。
良い仕事をするには、自分の環境の良い場所を選んでするのがいいと感じます。
未経験でも転職できると慢心した40代女性の大失敗
最後に要点をまとめておきます。
- パソコンを使ったことがあれば事務職になれる考えが甘かった
- パソコンを使いこなせないと使えない派遣社員と罵倒される
- ド短期の派遣はどこに行かされるか分かずイライラ
- 派遣でも20年近い社会人としての経験が役立つ場面が多い
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